花筐館<秋桜の間>

 
 
  各国王家の系図については英語での表記と敬称を併記しておりますが、His/Her Majesty (陛下)は発生が12、3世紀あたりのようなので、それ以前どうなっていたかはまだ調査中です(HRH?)。
HRHあたりの敬称はいつごろから使われ始めたのかも、ちょっとまだ調査不足で断定できませんが、
基本的に時代に関わらずHM、HRHを使っています(敬称の発生時期や実際に使用されていたものがわかればそれに添って変えていきます)。
以下敬称の一例(His のところは女性に対する場合は勿論 Her となります)。
   
 
君主もしくは当主の敬称 意味 日本語でいうとどの称号保持者に対する敬称か その家族もしくは一族への敬称 意味 使用国家例
His Imperial & Royal Majesty (HI&RM) 陛下 皇帝と国王を兼ねる(Emperor) His Imperial & Royal Highness (HI&RH) 殿下 オーストリア=ハンガリー
His Imperial Majesty (HIM) 陛下 皇帝(Emperor) His Imperial Highness (HIH) 殿下 日本
His Majesty (HM) 陛下 国王(King) His Royal Highness (HRH) 殿下 イギリス
His Royal Highness (HRH) 殿下 大公(Grand Duke) His Royal Highness (HRH) 殿下 ルクセンブルク
His Grand Ducal Highness (HGDH)
His Highness (HH) 殿下 公(Duke) His Highness (HH) 殿下 サクス=コーバーク=ゴータ家
His Ducal Serene Highness (HDSH) 殿下 公(Duke)     ナッサウ公家
His Serene Highness (HSH) 殿下 公(Prince) His Serene Highness (HSH) 殿下 モナコ
His Illustrious Highness (HIllH) 殿下 貴族階級      
※以下、ごく特殊な用例(ランクとしては皇帝あたりでしょうか)
His Holiness 猊下 ローマ法王      
His Apostolic Majesty (HAM) 陛下 国王     マリア・テレジア以降のハンガリー王(〜1918)
※配偶者や家族には不適用
 
 

HI&RMについてですが、ほかにドイツ=プロイセンもこれみたいです。ただしHI&RHは、長子(太子)以外は使用しなかった(できなかった?)ようです。
HGDH
は、嗣子以外の大公家子女(と男系子孫)が使う称号ですが、
使用例にあげているルクセンブルク大公家は現在パルマ公(敬称HRH)が父方にあたりますので(女大公輩出のため)、嗣子以外もHRHを名乗っています。
ちなみにほかにHGDHを使っているのは、ヘッセン=ダルムシュタット大公家、バーデン大公家。
HDSHはナッサウ公家など、特定の公家の一族を指して使うものですが、基本的に出てきません。大体HSHでよさそうです。

あとちょっとやっかいなのが
デンマーク王室オランダ王室。国王(いまはどちらも女王陛下ですが)はHM、王子女はHRHなのはほかと同じです。
一方、王太子以外の王子のところに生まれた子女(国王にとって内孫)は通常の王家ではHRHの称号を授かるのですが、デンマーク・オランダは未成年のうちはHHです。
成人したらどうなるんだっけ?(←こらこら) ちょっと調べときます。
スペイン王室では現在、外孫に His/Her Excellency Don/Dona という敬称が使われています(一応殿下と訳しています)。

選帝侯(神聖ローマ皇帝を選ぶ選挙権を持った諸侯)も頻繁に王朝系図に登場しますが、統廃合を繰り返したり兼任したりと相当ややこしいです。
ちなみに敬称はHSHですが、王>大公>選帝侯>公、辺境伯なので、王位や大公位を兼ねた選帝侯は「選帝侯 Elector」とはあまり呼ばれません。
したがって敬称も王や大公はHRHを使います。

 1356年金印勅書に定める顔ぶれ
 聖職諸侯
 ○ケルン大司教(1801年廃止)
 ○マインツ大司教 → 1801年レーゲンスブルク大司教
 ○トリアー大司教(1801年廃止)
 世俗諸侯
 ○ライン宮中伯(プファルツ選帝侯) → バイエルン王(バヴァリア王)
 ○ザクセン公 → ザクセン王
 ○ブランデンブルク辺境伯 → プロイセン王
 ○ボヘミア王(ベーメン王)

 のち、1708年承認の ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公(=ブルンスウィック公、=ヴォルフェンビュッテル公)(ハノーヴァー選帝侯)
 1803年創設の ヴュルテンベルク公、バーデン辺境伯、ヘッセン=カッセル方伯、ザルツブルグ公(のちヴュルツブルグ公) となります。

 
 各国の太子の特殊な呼称。
 イギリス…プリンス・オブ・ウェールズ(Prince of Wales)
 フランス…ドーフィン(Dauphin)
 スペイン…アストゥリアス公(Prince of Asturias)
 オランダ…オラニエ公(Prince of Orange)
 ベルギー…ブラバント公(Prince of Brabant)
 ルクセンブルク…大公世子(Hereditary Grand Duke)
 モナコ・リヒテンシュタイン…公世子(Hereditary Prince)
 イギリスは王太子=プリンス・オブ・ウェールズと大体考えられてますが、実際には=プリンス・オブ・コーンウォールのほうが正確です。
 前者は与えられる必要がありますが、後者は太子(というか王の長男)なら自動的に持つことになるからです。


継承権「放棄」と継承権「喪失」ですが、調べがつかない場合は全部「放棄」とまとめてますが、実際には「喪失」という人もいるはずです。指摘してくださると嬉しいです。
※継承権放棄…本人がそう宣言する場合
※継承権喪失…宗派の違う人と結婚した場合など本人の意志とは無関係に自動的に継承権がなくなる場合
ただし問題のある相手との婚約(あるいは結婚前提の付き合いなど)により「継承権喪失が決定的」になった場合、喪失前に本人が「放棄」を選ぶこともあります。
ちなみにイギリス王室では継承権「放棄」は不可能なので、チャールズ王太子も「放棄」の道は選べないのでした(「喪失」の道は選べるけど)。

 

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