花筐館<竜胆の間>

江戸大名家掃苔録 - 秋田県
所在: 秋田市 (Google Map)
関連大名家: 秋田(久保田)藩主佐竹家
公開状況: 佐竹家霊屋は通常非公開
秋田藩主佐竹家の国許の菩提寺。2015(平成27)年10月から2024(令和6)年まで本堂の保存修理工事が行われていました。


私が来訪したのは2023年でしたので、本堂はほぼ完成しているように見えました。こちら国の重要文化財とのこと。


佐竹家霊屋は本堂左。墓地側に入り口があります。通常非公開ですが、件の工事前はお盆の時期の寺宝公開に合わせて拝観できたらしい。工事終了後も同じように公開されるなら行ってみたい。


佐竹家の歴代藩主・世子ならびに正室は代々、秋田の天徳寺もしくは江戸の総泉寺に葬られ、一部高野山清浄心院にも分骨されていました。(例外は初代藩主義宣夫人那須氏=葬地は秋田正洞院、3代藩主義處世子義苗夫人徳川氏=葬地は東京池上本門寺)
総泉寺の墓所は平成年間に秋田天徳寺へ改葬されたとのことで、現在は側室や子女も含め、藩主家の一族の大多数はこちらに眠っているようです。
所在: 秋田市 (Google Map)
関連大名家: 秋田(久保田)藩主佐竹家
特記事項: ハチ注意
秋田藩初代藩主佐竹義宣の実父・義重および、藩主子女の菩提寺。


本堂左に回ると正面奥に義重の霊屋が見えます。


この霊屋の向かって右手に3基、左に14基ほど子女墓が並びます。
右手にあるのは5代義峯の娘の直と寿の墓 (多分供養墓) と、あともう1基は墓銘が削れて「~心大姉」くらいしかはっきり読めませんでしたが、残りの文字のかけらから推測するに8代義敦の娘で薩摩藩主島津斉宣夫人の敦のものではないかと思います (そうだとしたらこちらも多分供養墓)。


左手はおもに4代義格~10代義厚までの早世子女の墓が集まっています。写真手前の大きい墓碑は墓銘に「本源院」とあり、同様の法号を佐竹本家で探すと2代義隆の長男(庶子)で久保田新田藩主の義寘が該当しますが、この人物は資料によると江戸総泉寺が菩提寺となっているので、供養墓なんでしょうか。


なお、霊屋右手の島津斉宣夫人のものと思しき墓の基台部になぜかミツバチが密集しており、あたりはハチが飛び交いまくっていました。来訪される場合は要注意。
所在: 秋田市 (Google Map)
関連大名家: 秋田(久保田)藩主佐竹家
秋田藩初代藩主佐竹義宣の正室・那須氏の菩提寺跡。入り口はこのへんです。


まっすぐ道なりに進むと、右手に「正洞院跡」と標柱のある原っぱが現れます。もとは正洞院という寺院があったものの、維新後廃寺となったそう。


そこからちょっと行くと墓地入り口の標柱。これもまっすぐ行きます。人里離れた野山というわけではないのですが、うっかりクマに遭遇しないか少し不安になる鬱蒼ぶり。


さらに進むと二股に分かれた道に出ますが、右手の草むらのほうに墓地入り口の標柱があります。マダニの不在を祈りつつ足を踏み入れたところ、晴天なのに靴が1センチ以上沈む泥濘状態でした。
長靴を装備していなかったので先に進むのは不可能と判断して行っておりませんが、この先に覆堂があり、中に那須氏の墓碑が残っているらしい。
所在: 秋田市 (Google Map)
関連大名家: 岩崎藩主佐竹家
旧岩崎藩主家、いわゆる佐竹壱岐守家ゆかりで、8代義諶の霊廟があります。


佐竹家の墓域は山門入って本堂を正面に見てすぐ左手です。生け垣に囲われています。


墓域左のほうに小ぢんまりとした鞘堂があり、この中に義諶の墓碑があります。


なお壱岐守家は江戸時代は定府で総泉寺が菩提寺でしたが、明治に没した義諶がはじめからこちらに葬られたのか、総泉寺からの改葬なのかはわからず。
所在: 横手市 (Google Map)
関連大名家: 秋田(久保田)藩主佐竹家
秋田藩初代藩主佐竹義宣の側室・二階堂氏(蘆名氏、通称岩瀬御台)の墓所。


山門のところに岩瀬御台墓所との標柱あり。
本堂裏の墓地の一角に、木造の覆屋に囲われた岩瀬御台の墓碑があります。
所在: 仙北市 (Google Map)
関連大名家: 秋田(久保田)藩主佐竹家
大名家というお題目からはちょっと外れますが、秋田藩初代藩主佐竹義宣の弟で、蘆名家に養子入りした義勝(義広)の菩提寺。


義勝の墓碑は、本堂左の墓地を左奥方向に進んで石段を上った左手に一族墓碑とともに並んでいます。墓域には囲いがあり、さらに墓碑の並びには覆屋がついています。


江戸最初期の領主一族の墓が、改葬もなく400年近く経ていると思われます。
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